✨STEM学生紹介リレー ✨海外編 #8

Girls in Tech Japanでは、海外のSTEM分野で活躍する女性たちを紹介するインタビューリレーをしております!
現在、渡航禁止やビザの発行休止などの状況から、海外留学を躊躇している方も多いのではないかと思います。
予測出来ない中ではありますが、少しでも勉強のモチベーションUPや多様な進路の選択肢に気づいていただけたらと思います。
是非このポストを見つけられた方は、友達やお子さんがいらっしゃる方々へ是非シェアしてくださいね🍀

第8回は,東北大学医学部で認知症診療に従事したのち退職し,アメリカハーバード大学で公衆衛生を学び,卒業後Harvard Medical Schoolに就職した國時景子さんです!

Q1. 名前・学校名・専攻は?

國時景子です。ハーバード大学公衆衛生大学院の公衆衛生修士号(MPH)Quantitative Methodコースに留学しました。

Q2. 今の国、学校に決めた理由(なぜアメリカ?ボストン?)

日本の大学の学部時代に受けた授業で、病気にかかってから治す医療ではなく、病気が起きる前に防ぐ公衆衛生のコンセプトを知ってから、ずっと面白そうな分野だなと思っていました。その後、実際に病院で働いてみて、様々な病気やその経過への生活習慣の影響の大きさを身をもって体感したことで、より興味がわき、自分のキャリアの中で一度しっかり勉強してみたいと思うようになりました。ちょうど研修医の時の同期と進路について話していた時に、本当に興味があるなら世界に出ていい教育を受けた方がいいんじゃない、と言われ、海外で公衆衛生を勉強することが人生の選択肢に初めて加わりました。

その後、日本の大学院に入り研究をすすめていたのですが、研究のデザインをする上での深い知識の重要性や、当時専門としていた認知症は根本治療がなく、より予防の重要性の高い分野だと感じた経験から、できるだけ早いうちに留学した方がいいと思い準備を始めました。研究のデザインを決める過程で一番興味があった分野が疫学の因果推論で、自分で論文を読んで勉強することにも限界を感じて、その分野で一番有名な大学院を選びました。

それから、学生生活は勉強だけではつまらないので、ボストンの街の魅力も大きかったです。私は昔から音楽を続けていることもあり、ボストン交響楽団やヘンデルハイドンソサエティなど、一流の芸術に触れられることも個人的には大きな魅力でした。宿題を必死で片づけてオーケストラの演奏会には可能な限り足を運びました。その他にもボストン美術館やボストンバレエ、アメリカ4大スポーツの本拠地でもあり、勉強の息抜きにも事欠かないと思います。

Q3. 受験のとき大変だったこと

私は同じ研究室にも身近な人にも大学院留学の経験者がいなかったので、ほとんどすべてインターネットで情報をかき集めて準備をすすめました。社会人として働きながら、仕事の締め切りや資格試験と、受験の準備のスケジュール管理が大変でした。ただ、事前に出願までの仕事と必要な試験や書類の準備のスケジュールを作ってとにかくそれを守ることでなんとかなりました。途中やる気がそがれたり、疲れてノルマをこなせない日もありましたが、何とか自分で機嫌をとってモチベーションを保っていました。

Q4. 学校生活で,大変だったこと&楽しかったこと両方教えて!?

入学当初は、専門用語の勉強を事前にする余裕が全くなかったこともあり、授業がちんぷんかんぷんでした。慌ててコースのアドバイザーの先生に相談すると、オススメの本を貸してもらえて、クラスメイトとも一緒に勉強することで何とか勉強を軌道にのせることができました。一度雰囲気がつかめるとそのあとはほんとうに楽しかったですね。

私の入学した大学院はDiversity&Inclusionをとても大切にしていて、文字通り世界各国から集まった学生と一緒に学べるのが面白かったです。医療保険制度の違いを知ることはもちろんですが、それぞれの文化によって生活スタイルや考え方、グループワークの進め方や教員との関わり方も本当に様々で、勉強になりました。今できないことや、型にはまらないこと、基準に満たない過去現在を単に責めるのではなくて、じゃあどうしたらよくなるか、どうしたら個性や特性を生かせるか、という未来志向な空気がとてもいいなと思いました。

一番衝撃だったのは、大学院の女子学生と教員の多さです。私は日本では大学以降、いわゆる男社会の中で生きてきたこともあるのか、日本ではどうしても男性中心で暗いオタクのイメージをぬぐえない研究職や理系への偏見が自分にもあったことを実感しました。特に、女性の教員がかわいいドレスで毎回授業に現れ、生き生きと話しているのにはじめは驚きましたし、本当に素敵だと思いました。

Q5. 病院を休職して留学をするために、組織内で行ったことは?

医局の教授にはかなり早い段階で、こういう分野に興味があって勉強したいので、いつか留学したいということは伝えていました。とても好意的に応援してくださり、実は出願までの仕事と準備のスケジュールの見通しを立てておくことを勧めてくださったのも教授です。ただ、入学できるかわからない上で仕事に配慮してもらうわけにもいかず、準備の段階では個人で粛々と進めていました。入学後に、他の日本人学生は出願前からオンラインでいろいろ情報交換していたことも知りました。今の時代、そういうグループにつながることも比較的簡単にできますし、そうでなくても個人で情報収集して入学手続きまで終わらせることもできたわけなので、本当に技術の進歩に感謝です。

海外留学について話していた友人や親族が、皆、無条件に私のことを信じて応援してくれたのが本当にありがたかったです。合格、進学が決まった後は、自分の持っている仕事や担当患者さんの引継ぎをして、快く引き受けてもらうことができ、スムーズに渡米することができました。

Q6. 卒業してからは?

大学院在学中にPracticumという実務の研修でお世話になった研究室で運よく採用してもらえることになり、マサチューセッツ総合病院・ハーバードメディカルスクールのリサーチフェローとして働いています。元々興味があった脳画像と留学で身につけた疫学、統計の知識を上手く生かせる分野で栄養や運動などの生活習慣と、子どもの脳の発達と遺伝リスクの関係の研究をしています。

働いてみてあらためて面白い感じたのは、ボストン周辺の科学者のサイエンスへの態度です。日本人は私も含め、こんな簡単なこと恥ずかしくて聞きづらいとか、人に聞く前に自分で調べて時間がかかっても自己解決することが望ましいと思いがちではないでしょうか。その感覚が自分を高めるうえで訳に立つことももちろんありますが、世界トップクラスの専門家や環境を最大限活用し、わからないことはわからないと専門家に聞いて、聞かれた方もサイエンスに貢献できるなら喜んで答えてくれ、皆でサイエンスを発展させていこう、という意識が広くあるのがボストンの強み、原動力のような気がします。

Q7. 留学に興味ある学生へメッセージお願いします!

日本中、世界中の誰でも、どこからでも情報につながり、成長するチャンスが得られる時代になりました。ダメで元々、当たって砕けろの精神で、是非、本当に自分が面白いと思えることに挑戦してみてください。私も渡米前は不安が山盛りでしたが、来てしまえば案外何とかなるものです。きっと新しい世界が広がっています。


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