✨STEM学生紹介リレー ✨海外編 #6

Girls in Tech Japanでは、海外のSTEM分野で活躍する女性たちを紹介するインタビューリレーをしております!
まず第一弾として、海外で活躍するSTEM学生たちのインタビューをご紹介します!
現在、渡航禁止やビザの発行休止などの状況から、海外留学を躊躇している方も多いのではないかと思います。
予測出来ない中ではありますが、少しでも勉強のモチベーションUPや多様な進路の選択肢に気づいていただけたらと思います。
是非このポストを見つけられた方は、友達やお子さんがいらっしゃる方々へ是非シェアしてくださいね🍀
これまでアメリカのSTEM学生を紹介して参りましたが,第6回目は,初めてニュージーランドからの紹介です!
ニュージーランドは,近年STEM分野,特にビッグデータ分析やAI分野での進学先として注目を集めています!
今回は,University of Canterburyにてコンピューターサイエンスを専攻する大学院生の市之瀬遥香さんです!

Q1:名前・学校名・専攻は?

A:市之瀬遥香です。

ニュージーランドのカンタベリー大学物理学とコンピュータサイエンスの二重専攻を修了しました。修士課程はコンピュータサイエンスを学びます。

Q2:今の国、学校に決めた理由

A:私が大学留学を決めた動機は、大して主体的でも高尚でもありません。

理由は主に3つあります。まずは家庭の事情です。高校か大学のどちらか海外へ行きなさいと、昔から母親に口酸っぱく言われていました。母も留学経験があり、英語講師をしていたので、自然なことでした。

2つ目の理由は、日本の大学受験が難しかったことです。私は国語が大の苦手で、センター試験の国語は半分も取れないほどでした。国内で合格できる大学が限られる上に、留学を選べば苦痛(国語の試験勉強)から解放される喜びもあり、留学すると決めました。

3つ目は、物理学を英語で学びたかったことです。グローバルで評価される科学者になるには、英語で論文を書き、プレゼンも英語が普通です。授業も教材も全て英語の学校で物理学を学べば、効率的だと考えました。

なぜニュージーランドか、それは私にとって所縁のある土地だったからです。7歳の時に1年間だけ親子で留学していたのが、私が通う大学のあるクライストチャーチという街でした。さらに、私が留学を決めた当時のニュージーランドは、人気で学費の高い英語圏の中では比較的に安い方でした。母子家庭だったので、金銭面は留学先の決定に大きく影響しました。

Q3:専攻をPhysicsとComputer Scienceに決めた理由(そして、なぜComputer Scienceで院に行こうと決めたの?)

A:父親が物理学者だったこともあり、幼いころから理科や科学が好きでした。自分の「好き」に導かれ、大学でも物理学を専攻しました。最初はコンピュータサイエンス(以下CS)に興味はなく、物理しか眼中にありませんでした。そんな私がCSの世界に足を踏み入れたのは、学部1年時にプログラミング入門の授業を履修したことがきっかけです。コンピュータの計算、探索、情報の可視化等の能力は、自然科学の発展を加速させます。ふたつの分野を学んで、コンピュータの力をもっと物理学に活かせないかと考え、ダブルメジャー(二重専攻)を始めました。日本では珍しい制度かもしれませんが、ニュージーランドではダブルメジャー、トリプルメジャー(三重専攻)、さらにダブルディグリー(二重学位)などがあり、異なる分野の学問を修めるプログラムがあります。

初めは、あくまでCSの教養を道具に、本命の物理学を頑張るぞという考えでした。しかし、3年間も二足の草鞋を履いているうちに、CSの方が好きになりました。ウェブサイト、CG、人工知能などさまざまな価値を自分の手で開発し生み出せる楽しさを知り、修士課程ではCSを専攻することに決めました。CSも私は英語で学ぶことにこだわりました。なぜなら、CSという学問をここまで大きく発展させたのは主に欧米であり、英語を使った学習リソースの量と質が圧倒的に高いからです。日本語はマイナーな言語であり、日本語で書かれた教科書やウェブサイトは数も少なく、淘汰されないが故に質も低いことがあります。悲しいことに、これは事実です。私はそういった理由で修士課程もニュージーランドで、英語で学ぼうと決めました。

Q4:受験のとき大変だったこと

A:同級生に留学志望の生徒が少なかったことや、入試に必要な英語検定(IELTSやTOEFL)の勉強が大変だったことは、他の生徒さんと被るので置いておきます。

私が苦労したのは、渡航に必要な書類集めでした。留学生として海を渡るには、渡航先の移民局が発行する学生ビザが要ります。ニュージーランドの学生ビザ申請のためには、銀行口座の残高証明書や警察が発行する無犯罪証明書、肺結核検査のレントゲン写真を含む健康診断書など、多くの書類をそろえなければなりません。この中には、未成年が1人で用意するには難しいものもあります。

私が大学に合格し、渡航まで残り半年の時期に母が他界しました。親権者を失った時期は、遺産相続や未成年後見人を立てたりと忙しい上に、法律上の保護者がいない状況では書類の取得も滞ります。祖父母や留学代理店様のおかげでなんとか渡航前ギリギリにビザを発給してもらえましたが、日本の公的機関で書類発行などを未成年が行うことの大変さを痛感しました。

もしも未成年で留学をしたい場合、あなたのご両親や親権者の協力が必要になるでしょう。私のようにならないためにも、大人の方とうまく連携して早めにビザ申請を済ませることをお勧めします。

Q5:今の学校生活はについて,大変なこと&楽しいこと両方教えて!?

A:大変なことはお金の問題です。学費が高くて困っています。ニュージーランド人は大学1年目は授業料が無償なのに対して、留学生用の学費は年々値上がりしています。私が1年目に払った授業料が28,700NZD(約200万円)、それが三年目には34,250NZD(約260万円)まで上がりました。そして修士課程は1年間で59,250NZD(約440万円)もかかります。決して安いとは言えない金額ですが、良いニュースもあります。国によっては禁止されていますが、ニュージーランドは留学生のアルバイトが認められています。アルバイトは勉強との両立がボトルネックですが、奨学金制度を活用すれば全額はまかなえなくとも、かなり楽になります。

楽しいことは人との交流です。欧米やアジア、アフリカなど世界中から留学生や移民が集まるので、さまざまな人や文化に触れることができます。中国の旧正月を祝うお祭りから、フィリピンのミリタリー飯を食べる会まで、いろいろな異文化交流イベントがあります。そのようなイベントを通じて得られる新たな発見や異文化へのより深い理解は、世界へ飛び出してこそ味わえる楽しみです。ちなみに、私が交流の場を探す方法としては、Facebookのイベントページやグループページを見つけることです。

Q6:奨学金などの制度は使っていますか?

A:学部1年時に、カンタベリー大学の留学生用の奨学金をいただきました。しかし、2年生になってからは成績に自信がなく、特に応募をしませんでした。今とても後悔しています日本の団体が提供する奨学金のみならず、現地でも留学生が応募できる奨学金はたくさんあります。大学などのウェブサイトには、数ある奨学金に応募できるページがあります。フィルター機能を使えば、学年や専攻に基づいて奨学金を簡単に探せます。成績に自信がなくても、応募しなくては何も始まりません。私はこのインタビューを書き終わったら、早速新しい奨学金を探します。もしお金のことで留学を迷っているなら、奨学金制度を思い出してください。

Q7:留学に興味ある学生へメッセージお願いします!

A:正直にいうと、留学はお金がかかり外国語での授業は易しくなく、大変なことばかりです。さらにこの時代、インターネットにアクセスできれば、世界の名門大学の講義を無料で受けられます。昔のように物理的に海外へ出なくても、希望する国や学校の教育に手が届くこともあります。

それでも留学する価値はあります。異国の地で少数派の民族として生きると、やはり日本人として期待される言動や人柄などが固定観念としてあるのを感じます。中には周りが期待する日本人像を演じていないとアイデンティティを確立できないと悩む人も一定数います。そういった葛藤に向き合い、自分は何者で、なんのためにここにいて、なにを成し遂げたいのかを見つけた時、あなたの人生はもう一度始まります留学は、自分と向き合う環境を強制的に作るには、もっとも効果的な手段かもしれません。新しい文化、価値観、人、言語に揉まれて、きっと人間的にひと回りもふた回りも成長できるはずです。留学に興味があるのなら、ぜひ挑戦してください。応援しています。

Girls in Techでは日本時間 3/13(土)10:00amに,ニュージーランド大使館 エデュケーション・ニュージーランドと共同で,無料のオンラインイベントを開催します。ニュージーランドにてSTEM分野で活躍する女性研究者と学生を招待し,ニュージーランドで働く・学ぶ魅力を探求します。
詳細・お申し込みはこちらから。


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