✨STEM学生紹介リレー ✨海外編 #4

Girls in Tech Japanでは、この度、STEM分野で活躍する女性たちを紹介するインタビューリレーを開始することにしました!
海外で活躍するSTEM分野の方たちのインタビューをご紹介します!
現在、渡航禁止やビザの発行休止などの状況から、海外留学を躊躇している方も多いのではないかと思います。
予測出来ない中ではありますが、少しでも勉強のモチベーションUPや多様な進路の選択肢に気づいていただけたらと思います。
是非このポストを見つけられた方は、友達やお子さんがいらっしゃる方々へ是非シェアしてくださいね🍀

第四回目は,文部科学省からアメリカ マサチューセッツ州ケンブリッジ市のマサチューセッツ工科大学に留学した,加々美綾乃さんです!!

Q1. 学校名・専攻は?

生物系の博士号を取得した後、文部科学省に入省し、入省後6年目に留学制度(人事院長期在外研究員制度)を活用してマサチューセッツ工科大学System Design and Management Program(修士課程)*に留学しました。

*Sloan School (MBA)とEngineering Schoolのジョイントプログラム。企業のCTOなど、グローバルな組織で活躍する”テクニカルリーダー”を育てることを目標としている。

Q2. 今の国、学校に決めた理由は?

昔から海外に行きたいという思いがあり、入省時から海外留学や海外勤務の希望を伝えるとともに、毎年留学制度に応募をしていました。

行政官として留学するなら、産学連携やイノベーション、政策の定量評価、プロジェクトマネジメントといった分野を学びたいと考えおり、これらの分野で強いのはアメリカなのでアメリカを選びました。(人事院の留学制度で留学する際は前もって留学先の国を決める必要があります。)

また、公務員の留学だとPublic Policyのコースを志望することが多いのですが、単純にPublic Policyだけ勉強するよりも、自分が元々研究をしていたということを生かして、Technology x Public PolicyTechnology x Managementといった分野を学べる大学院を探していました。その中で、先輩が通っていたMITのSystem Design and Management Programに出願しました。

他にも合格した大学院はありましたが、やはりイノベーションならMIT、ボストンだろうと思っていたので、合格通知をもらって即決しました。

Q3. 受験のとき大変だったことは?

仕事をしながらTOEFLやGREの試験勉強をするためにまとまった時間は土日しか取れないので、平日は通勤時間を使うなど時間を作るのに苦労していました。また、これからStatement of Purposeなどの出願書類を準備するという時期に仕事が急に忙しくなって、留学準備に手をつけられなくなり、ひと段落してから出願締め切りまで必死で駆け抜けました(上司も留学経験者で理解があったので助かりました)。

社会人留学を目指す人は、やはり仕事と準備の両立が大変だと思います(会社や上司のサポートや理解にもよりますが)。予備校やコンサルティング会社など色々ありますが、予算やどのようなサービスが自分の生活リズムに合うのか(自力で準備することも含めて)、よくよく情報収集することが大事だと思いました。

Q4. 学校生活で,大変だったこと&楽しかったこと両方教えて!?

いくら大学院時代に英語を使っていたとはいえ、今まで海外で生活をしたことはなかったので、語学(特に授業)は最初大変でした。

授業面では、どの課題もグループワーク(多くの場合、学期中はグループが固定)が基本だったので、語学もさることながらカルチャーや専門性、経歴(私のいたプログラムはミッドキャリア向けなので、全員が数年以上の社会人経験を持つ)などのバックグラウンドが違う中で、学期中に科されるいくつもの課題に取り組み続けるのは最初は大変でしたが、最後は一体感が出てきて良いチームになる、、、というチームビルディングの経験にもなりました。特に、チームメンバーで書く最終レポートをGoogle docでシェアして分担して書いていたら、夜中に全員がオンラインになり、みんなでチャットでディスカッションしながらレポートを書き上げたのは良い思い出です。

ただ、どのクラスも平均すると約2週間に1回課題を提出する必要があるため、授業を複数受けていると(これが普通ですが)、毎日提出締め切りを抱えるような状態になるので、アメリカの大学院生がどれだけ勉強しているのか実感しました。

また、私のいたコースでは修士論文が卒業に必須(MPPやMBAなどの専門職学位の場合は必要でない場合が多い)であり、なおかつ、修士論文のテーマを自分で設定し、指導教官も自分で見つけてくる必要があったため(まさしく自主性が求められる)、書き始めるまでが大変でした。私は日米のバイオテック・スタートアップエコシステムの比較分析を取り上げたかったのですが、なかなか指導教官が見つからず焦りましたが、最終的にはMichael Cusumano教授に引き受けていただき、非常に有意義な研究を行うことができました。

課外活動(とはいえ、私の場合は修士論文のネタ探しや研究の一貫でもありましたが)は楽しい思い出ばかりです。ボストンというスタートアップ(特にバイオ系)が次々に産まれている場所です。そこに関わる大学、VC、大企業、アクセラレーターにインキュベーター、、というエコシステムに関わる人たちに、大学内外(MIT内でもセミナーが多い)で開催されているネットワーキングイベントで会って話を聞いたり、勉強も兼ねてインタビューしたりしていました。このインタビューがきっかけで、米国内で(最近はヨーロッパでも)バイオ系スタートアップ向けのインキュベーション 施設を運営しているBioLabsでサマーインターンをすることができました。

このようなネットワークを作ることへのハードルの低さと皆のフットワークの軽さに最初は驚きましたが、この時の繋がりが、日本に帰国した今も続いているのは一生の財産になったと思います。

インターンやボストンのエコシステムの様子は下記のブログにまとめています。

https://medium.com/@ayanokagami

Q5. 社費留学(国費)を得るために、組織内で行ったことは?

留学をしたいというアピールと、組織内の選考(省内選考)を通過するためのTOEFLの点数、勤務成績でしょうか。特に省内選考を通過するためには、過去に留学した先輩方に準備の仕方を聞いたり、留学目的を具体的にするために大学院の授業や教授を調べたりしました。

Q6. 卒業してから会社(省)に戻って、良かったこと&大変だったこと

やはり大変なのは生活リズムの変化でしょうか(笑)。学生の間は自分がやるべきこと・やりたいことを自分で決めてスケジュールを立てることができたのですが、仕事では他律的な案件も多いため、なかなか自分の一存でスケジュールを決めることはできないというのは大きな違いです。また、仕事のやり方もアメリカのやり方(悪い言い方をすれば個人プレー)に慣れてしまったので、組織で仕事をするやり方を思い出すまでは少し苦労しました。

留学して良かったことは(留学の目的の一つでもありましたが)、授業で学んだフレームワークや分析手法などが、思っていた以上に政策や事業運営の場でも活用できたことです。例えば、現在私が担当しているプロジェクト(ITER計画:7つの国・地域が協力して大型核融合実験炉をフランスに建設している)などは、授業で扱っていた国際的な大型研究開発プロジェクトそのものなので、コスト・人員・スケジュールに制約がある中で、どのようにプロジェクトを進めつつステークホルダー間を調整し、、、と、授業が思い浮かぶような課題が生じたりします。(現実はもっと複雑なので、授業よりも大変ですが。)更に、国際プロジェクトですので海外の担当者と英語であれこれ議論するのも、授業を彷彿とさせます。

また、仕事が忙しいとどうしても個人的なネットワークが仕事関係でしか広がらなくなってしまうというのが留学前の悩みだったのですが、帰国後は、留学中のネットワークが続いていたり、そこから更に広がるような繋がりもできたりして、留学前よりも人の繋がりが増えて色々な情報が入るようになりました。

Q7. 一度社会人を経験してから留学して、良かったこと&大変だったこと

大学院ではずっと研究をしていたので、いわゆる人文系・実学系の学問を学ぶということに最初は全くイメージが湧きませんでした。しかし、今回の大学院留学は、文部科学省入省後、研究から離れて下働的なことから戦略策定やプロジェクトの企画・運営などを通じて、一度頭を整理して政策や経営の理論を学びたいと思って志望したものでした。このため、「こういったことを学びたい」とか「こういった課題を解決したい」といった問題意識は最初の大学院の時よりも具体度の高いものだったのではないかと思います。特に公共政策やMBAといったコースは、何を学びたい・身に付けたいというものがはっきりしている方が、身につくものが多いコースですので(例えば、授業中のディスカッションなどは自分の経験をもとに議論をすることが多い)、社会人6年目であちこちの部署・仕事を経験した後のタイミングで留学できたことはとても良かったと思っていますし、学んだことを帰国してからの仕事に活かすということも(たとえ入省前に同じことを学んでいたとしても)できなかったと思います。

大変だったことは、卒業後に会社に戻った時の逆の意味で、生活や思考スタイルのギャップです。学生はとにかく自由なので(あれこれやりたくなる性格の自分としては)予定を詰め込みすぎて大変でした。というのは冗談で、やはり仕事をするのと授業を受けるのは全く頭の使い方が違います。入学直後のオリエンテーションでコースディレクターが「みなさんは何年かぶりの学生生活だから、まずは学生であることに慣れてください。大変だと思うけど。」というようなことを言われたのですが、まさしくそのとおりでした。仕事というある程度他律性のある頭の使い方・生活から、ほぼ完全に自主性の求められる状態(課題提出のスケジュールを除く)への変化は楽しいといえば楽しいのですが、常に考えることが多く大変でした。でも、今となっては、頭の柔軟性を取り戻したような気がします。

Q8. 留学に興味ある学生へメッセージお願いします!

伝えたいメッセージは「新しい分野を学ぶことも、留学も、チャンスがあれば飛び込もう」です。自分自身を絶えずアップデートすることが求められるような世の中になってきていると思います。私にとって、留学というのはそのためのきっかけだったかもしれません。

また、留学するのは(最初の)学生時代だけでなく、就職してからも会社の制度を使ったり、会社を辞めて自費でなど、留学するチャンスをつかもうと思ったら巡ってきます。むしろ、社会人で留学する場合は、ミッドキャリア向けのコースも海外の大学院では充実していますし、元々の専門とは違った分野を学ぶチャンスかもしれません。

新しい場所で、新しい知識や新しい人間関係に出会える、そしてその中でもがきながら楽しみながら、自分をアップデートしていく、そんな留学生活をみなさんに過ごしていただきたいと思います。


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